かつては「ユニバレ」「ユニ被り」とその機能性 の良さに見合わないダサイメージが先行していたのに、気づくと「程よい」ブランドへの変貌と遂げたユニクロ。「安い、良い、程良い」商品を提供する企業のブランドイメージを象徴するのが2つのロゴだ。
現在のロゴは明るめの赤と白抜きのレタリングで、レゴのような、はたまた手書きの ようなぎこちない印象。それなのに、かつての野暮ったい印象は払拭されている。このロゴに関して議論の的となるのは佐藤氏がインタビュー記事にて「ワザとそうした」 と語る錯視調整の問題である(https://note.com/shijimiota/n/n84fc7ddd6ab1)。あえて錯視調整しないことが僅かな違和感を生み、むしろ人の注意を惹く。滑らかさや均質性といった一般にファッションブランドが求めがちな質感とは真逆のこの感覚は、衆目を集める崩しのデザインとして成立している。
個人的に関心が高いのは店舗などで見られるロゴ2つ並べたレイアウトだ。カタカナとアルファベットの2種類を均等整列で配置することで、洗練された アイデンティティを醸し出し、ぎこちないはずのレタリングが額装された作品に見えてくる。違和感を活かした面白いディスプレイ手法だと思う。
この 2つ並んだロゴは、グローバルでの統一したブランドイメージ浸透に一役買う。カタカナを海外で目にすること自体が珍しいのだ。日 本の文化に触れた外国人がカタカナのタトゥーを入れるかの如く、日本初という誇りをカタカナでストレー トに表現するタトゥーのような、ブランドとしての強い意思の表れが見て取れる。このロゴは、日本文化に 対して憧憬の念のある人への強いアピールとなる。
シンプルさが強いメッセージを放つ。いつかこんなロゴデザインの境地に辿り着きたい。